「眼を守る」アイプロテクションの意識の高まりから、世界的に厳格な眼の保護規格「ANSI/ISEA Z87.1規格]が注目されています(通称ANSI Z87.1規格)。日本でも使用するアイウェアは「ANSI Z87.1規格品」を選ぶという方が増えてきました。ANSI Z87.1規格は共通・標準化されており、メーカーを問わず、どの国の誰が製造し、どの国の誰が販売しても、製品には規定に則した共通の「表示マーク」があります。 なお、ここでご案内する表示マークはANSI/ISEA Z87.1-2015以降に適用されたもので、それ以前に製造されたANSI Z87.1規格品には当てはまらない場合がございますのでご留意ください。
規格偽装について
現在、ニセANSI Z87.1規格品が日本市場でも出回りはじめています。本来、ANSI Z87.1規格とは、人の安全と健康を守り、製品の品質への信頼を裏づけるものです。これを偽装することは、日本でも不正競争防止法違反や詐欺といった違法行為に該当します。
現在のところ、このようなニセANSI Z87.1規格品の場合、大抵は製品に「不正な表示マーク」が印字されています。ANSI Z87.1規格の「正しい表示マーク」を知ることで、これら偽装品を見分けることができます。
ANSI Z87.1規格品 表示マーク [フレーム編]
さらに詳しく
耐衝撃フレームです。
メーカー純正/社外製/度なし/度付きレンズにかかわらず耐衝撃性を有したレンズ装着時、高速度衝撃(時速164km/150fpsの25口径鋼弾)および加撃衝突(鉄槍500gを高さ1.27mから落下)に耐えられる耐衝撃フレームです。また、上下左右の幅広い範囲で眼を保護する設計が施されています。※メーカー純正以外のレンズ交換時、レンズの耐衝撃性能は交換したレンズに依存します。
「MIL-PRF-32432(ミルスペック/米軍仕様要求)」に準拠したミルスペック・アイウェアにも度付きレンズに交換できる耐衝撃フレームの場合には適用される表示マークです。
度付きレンズ対応設計です。 度付きレンズは「度付きレンズ特有のコーティング」「Vベベル」(ヤゲン/レンズ端の加工)「厚み」「弾性」等、メーカー純正の度なしレンズと相違点が多いため、これに対応するように設計された耐衝撃フレームです。
さらに詳しく
耐衝撃フレームです。
メーカー純正の専用レンズに限定 し、高速度衝撃(時速164km/150fpsの25口径鋼弾)および加撃衝突(鉄槍500gを高さ1.27mから落下)に耐えられる耐衝撃フレームです。また、上下左右の幅広い範囲で眼を保護する設計が施されています。
「MIL-PRF-32432(ミルスペック/米軍仕様要求)」に準拠したミルスペック・アイウェアにも度付きレンズに交換できない耐衝撃フレームの場合に適用される表示マークです。
度付きレンズ取付不可です。 メーカー純正の度なしレンズ限定の耐衝撃フレームです。
例外:RXインサート使用時
メーカー純正の度付きレンズ取付アダプターとなる専用RXインサートがある場合、これを併用することでZ87+耐衝撃フレームとして使用可能です。
さらに詳しく
耐衝撃フレームではありません。
加撃衝突から眼を守るフレームではありません。日常使用で破損しない程度の安全性を想定し、68gの鋼球(直径 25.4 mm)を高さ1.27mから自由落下で破損しない表示マークです。
※68gはスマートフォンの半分以下、ポテトチップス1袋分程度の重さ
例外:サイドシールド付属時
耐衝撃フレームです。
Z87+表示マークがある専用サイドシールド(メーカー純正)が付属している場合、高速度衝撃(時速164km/150fpsの25口径鋼弾)および加撃衝突(鉄槍500gを高さ1.27mから落下)による衝撃に耐えられる耐衝撃フレームです。
度付きレンズ対応設計です。 度付きレンズは「度付きレンズ特有のコーティング」「Vベベル」(ヤゲン/レンズ端の加工)「厚み」「弾性」等、メーカー純正の度なしレンズと相違点が多いため、これに対応するように設計されたフレームです。
耐衝撃フレームではありません。
例外:サイドシールド付属時
耐衝撃フレームです。
付属のZ87+サイドシールド取付時は「Z87-2+」として使用できます。ANSI Z87.1規格では耐衝撃性があっても、アイウェア側面から眼が露出している場合など、規定の保護範囲を満たせないフレームには「Z87-2」表示マークを付けますが、Z87+表示マークのサイドシールド取付時には「Z87-2+」耐衝撃フレームとなります。
さらに詳しく
耐衝撃フレームではありません。
加撃衝突から眼を守るフレームではありません。日常使用で破損しない程度の安全性を想定し、68gの鋼球(直径 25.4 mm)を高さ1.27mから自由落下で破損しない表示マークです。
※68gはスマートフォンの半分以下、ポテトチップス1袋分程度の重さ
度付きレンズ取付不可です。
ANSI Z87.1規格に則した表示マークではありません。誤った表示のため、規格を偽装している可能性があります。
販売元にANSI Z87.1規格検査の結果の提出を求め、消費者庁にご相談ください。
ANSI Z87.1規格に則した表示マークではありません。誤った表示のため、規格を偽装している可能性があります。
販売元にANSI Z87.1規格検査の結果の提出を求め、消費者庁にご相談ください。
ANSI Z87.1規格品 表示マーク [耐衝撃レンズ編]
さらに詳しく
無色透明の耐衝撃レンズです。
レンズに「+」表示マークがあります。フレーム側に「Z87-2+」もしくは「Z87+」表示マークがある耐衝撃フレームに取り付けることで高速度衝撃(時速164km/150fpsの25口径鋼弾)および加撃衝突(鉄槍500gを高さ1.27mから落下)に耐えられる耐衝撃レンズです。
耐衝撃レンズ「+」表示マーク 以降の表記例
さらに詳しく
色付きの耐衝撃レンズです。
レンズに「+」と色付きレンズ(厳密には特殊用途レンズ)を意味する「S」表示マークがあります。フレーム側に「Z87-2+」もしくは「Z87+」表示マークがある耐衝撃フレームに取り付けることで高速度衝撃(時速164km/150fpsの25口径鋼弾)および加撃衝突(鉄槍500gを高さ1.27mから落下)に耐えられる耐衝撃レンズです。
さらに詳しく
調光の耐衝撃レンズです。
レンズに「+」と調光(紫外線等でレンズ色濃度が変化)を意味する「V」表示マークがあります。フレーム側に「Z87-2+」もしくは「Z87+」表示マークがある耐衝撃フレームに取り付けることで高速度衝撃(時速164km/150fpsの25口径鋼弾)および加撃衝突(鉄槍500gを高さ1.27mから落下)に耐えられる耐衝撃レンズです。
耐衝撃レンズ「+L」表示マーク
「+L」は切断や溶接作業等で生じる眩しい光から眼を守る、日本でいうところの「遮光保護具」で主に用いる表示マークです。
さらに詳しく
溶接等の遮光色付き耐衝撃レンズです。
「+S」表示マークはアメリカ合衆国の軍や法執行機関で使用される戦闘用アイウェアMCEP(Military Combat Eye Protection)等の「耐衝撃カラーレンズ」でも用いられる特殊用途のプロテクターとレンズの表示マークです。
しかし、「+L」は先述のように遮光を伴う作業用保護具向けに用いる表示マークであることから、「+L」表示マークと連なる「スケールナンバー」によって用途や使用に制限があります。スケールナンバーを理解せずにご使用されますと大変危険となりますのでご注意ください。
フレーム側に「Z87-2+」もしくは「Z87+」表示マークがある耐衝撃フレームに取り付けることで高速度衝撃(時速164km/150fpsの25口径鋼弾)および加撃衝突(鉄槍500gを高さ1.27mから落下)に耐えられる耐衝撃レンズです。
+L スケールナンバー表
<注意!>「+L」に連なるスケールナンバー/色合い/視感(可視光)透過率は、溶接工程、アーク電流、電極の大きさ、板の厚さに基づいて選ぶ必要があります。「+L」レンズを使用する場合はANSI Z49.1 Safety in Welding,Cutting, and Allied Processesに記載の「TABLE 1. Guide for Shade Numbers」を参照して、保護性と快適性(可視グレア低減)の両方に適したレンズを選ぶ必要がございます。
視感(可視光)透過率%
スケールナンバー 最大 % 標準 % 最小 % L1.3 85 74.5 67 L1.5 67 61.5 55 L1.7 55 50.1 43 L2 43 37.3 29 L2.5 29 22.8 18 L3 18 13.9 8.5 L4 8.5 5.18 3.16 L5 3.16 1.93 1.18 L6 1.18 0.72 0.44 L7 0.44 0.27 0.164 L8 0.164 0.10 0.061 L9 0.061 0.037 0.023 L10 0.023 0.0139 0.0085
耐衝撃レンズではありません。
「Z87」「Z87.1」等の如何なる文字が印字されていても耐衝撃レンズではありません。